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広島市は広島カープの本拠地である広島市民球場を広島駅に隣接する貨物ヤード跡地に移転することを決定し、同時に現球場の跡地利用(あるいは現球場を壊さない選択肢も含めて)を検討することになりました。
現球場跡地はただ広いだけでなく、広島そごう・基町クレドを中心とする「商業地区」、旧陸軍用地を転用した「公共施設群」、平和公園・原爆ドームといった「祈念地区」の三つが接する特別な立地です。しかも都市公園法の制限を受けるため建ぺい率は厳しく、建てられるのは文化施設、スポーツ施設、防災施設などに限定されます。市の目標はこの制約条件下で年間150万人の集客が見込める土地利用とすることでした。
この条件に対して考えたのは、妙にひねったりせず、更新期を迎える文化施設を素直に建て替えることです。
でもこのご時世、ハコモノを作るだけでは多くの人を納得させることはできないし、何よりスマートではない。
…というわけで、細かいアイディアの合わせ技という形になっています。採算性検討が全くできてないのが心苦しいところですが、まぁ仕事でもないのでそこは無責任にやってます。
追記(2006年6月)
広島市のサイトによると、複数の民間事業者提案が候補に残ったようですが、確かにどの案も決め手に欠けますね。
平和記念系の施設は、よほど必要性のあるものでないと、無駄なハコモノとの烙印を押されかねず危険です。かといって、公園である以上、収益第一というわけにもいきません。
産業奨励館復元とか昔の街並み復元とかもやめた方がいいです。よほどしっかりした方向性がないとただの悪趣味になりかねないし、そもそもこの種の復元建築で上手くいった試しがない。汐留の新橋ステーションしかり、表参道ヒルズしかり。(まずは今の街並みを何とかすべきなのでは…)
だったら、広大跡地のように広大な空き地のまま10年くらい放置しておいて、中央図書館・商工会議所・そごうの建替え時期を待つ…のでどうでしょ? 何もない原っぱはそれはそれで魅力的だと思うし、公有地ですから課税を心配することもないですしね。 |
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| (以下に掲載したのは、2006年1月に広島市民球場跡地利用の市民提案として作成したものをウェブ用に再構成したものです) |
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1.広域的視点での現状分析
地方都市における中心市街地の空洞化が叫ばれて久しい。
近年のトレンドとして、大規模小売店の郊外立地を規制する方針転換の流れができつつある。過密解消と称する都市の郊外膨張は都市政策として誤りであったばかりでなく、昨今の人口減少社会において、限られた活力を広域に分散させることは結果として都市全体の衰退に繋がることは広く認識されたといってよいであろう。
広島市は典型的な一極集中型の都市として中心市街地を発達させてきた歴史があるため都心の求心力は当面安泰ではあるものの、郊外型SC(ショッピングセンター)の相次ぐ進出は、長期的に見ると都心の空洞化・求心力低下に繋がる恐れがある。こういった潮流の中での市民球場移転は都心商業に少なからざる打撃を与えるであろう。
すなわち市民球場跡地の利用にあたっては、都市公園法に抵触しない範囲での集客施設を指向する視点が必要不可欠といえる。
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都心、市民球場付近の市街地 |

郊外型SCの進出 |
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2.市民球場周辺の現状分析と計画の方向性
市民球場が位置する基町・紙屋町地区は旧陸軍用地を転用した公共施設群と都心商業地が隣接し、さらに平和記念公園を中心とする祈念空間とも接するという、他の都市にはない特異な立地特性である。この特性はすなわち郊外にはないこの地ならではの魅力でもある。
しかし、公共施設群は公園内に分散配置されており高効率とは言えないほか、今後逐次更新期を迎える。また、祈念空間の中心として建築家丹下健三が計画した景観軸(平和公園慰霊碑と原爆ドームを結ぶ直線)は、その後背地に商工会議所ビルが建つことによって大きく損なわれており、未完となっている。
従って計画の方向性としては、市民球場を解体した上で、「公共施設」「商業集積」「祈念空間」が交差する立地に相応しい施設とする、すなわち、公共施設を集約化・効率化しコスト削減を行いつつサービス水準を上げ集客施設として育てること、都心の西の核(アンカー)として人の流れを呼び込み回遊性を向上させること、未完成の景観軸を完成させ平和記念都市建設に資することである。また、この開発を契機としたエリア全体の改造に波及していくよう考えていく。
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計画の方向性
- 公園内に分散している公共施設を集約化し、バスセンターとの合築で利便性を向上させた上で一括して指定管理者に委託し、公共施設を活力ある都心再生のキラーコンテンツに進化させる。
- 一定のニーズがある修学旅行対応の研修施設を新設する。
- 商工会議所の移転により景観軸を完成させ、平和記念都市建設の一翼を担う計画とする。
- 都市公園には少ない自然の雑木林「広島の杜」を、河岸緑地と一体的につくり、自然体験学習に活用するほか、一部を市民菜園として開放する。
- 開発時にバスセンターを移転するのにあわせてエリア全体の都市改造に着手する。例えばバスセンター移転により発生する未消化容積を、そごう本館建替えのインセンティブとする。
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3.計画コンセプト:
「文化施設はシンカする。」
文化施設といえば、公園を潰して建てられた、何にでも使える多目的ホールと、図書館と、いろいろ入っている建物。どの町にもあるけど、何かパッとしない。多くの人はそういった印象を持っている。
しかし、かつて建築デザインの最先端は商業ではなく公共施設が担い、文化施設とは多くの人に望まれて建てられた、輝く存在であった。そして経済大国となり余暇が多様化した現代にあっても一定のニーズを保ち続けている。
つまり、現代のニーズに最適化された機能構成にリニューアルし、静かな環境を捨て都会の雑踏の只中に打って出ていくことで潜在的な需要を呼び起こし、運営については民間のノウハウを導入することで、十分都心における集客施設の役割を果たせるのではないか。そう考え、このコンセプトとした。 |
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4.市民球場跡地利用計画
4−1) 公共施設群の移転・集約化
まずバスセンターを計画地の地下に移設し、地上部には各所に分散していた公共施設群が入居する共同ビルを建設する。その際、原爆ドームの後背地として壁面線を設けるほか、建築物高さを40m程度に抑制する。
バスセンターは紙屋町交差点から遠ざかるが、地下街「シャレオ」と直結し路面電車からの乗り継ぎも容易になるため、実質的な利便性は向上する。
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各公共施設の耐用年数を待って少しずつ移転させる場合は、一つの共同ビルでなく複数棟構成(効率性を損ねない範囲で)とすることもありうる。 |
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商工会議所が公園内に立地できない場合は、現在の商工会議所敷地を公園に用途変更すると同時に公園の一部を商業地域に用途変更する。 |
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4−2) 土地利用計画
| A |
高さ40m程度の共同ビルを建設する。原爆ドーム後背地は低層建築とする(A2)。建物の内容は次頁の通り。 |
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前面広場。屋内の市民交流ロビーと共にイベント等に活用する。相生通りに沿って高木植栽を施し、原爆ドーム後背地の景観形成に貢献する。 |
| C |
プレイグラウンド、バスケットコートなど。安心して子供を遊ばせられる環境を整える。 |
| D |
既存の河岸緑地と一体となった雑木林「広島の杜」をつくる。一部を市民菜園として開放するほか、生態系を学習でき蛍も住みつくビオトープを設ける。雑木林は20〜30年で原生林に近いレベルの生態系となり、敷地内には炭焼き小屋や木工所が置かれ、建物内では間伐材を利用したクラフト教室が開かれる。 |
| E |
地下バスセンターとの乗換え利便性を向上させ、バリアフリーを促進するために電停を拡幅する。それに伴い道路形状も変化させる。 |
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| 4−3) 施設計画 |
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