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| がっかりする建築 |
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DATA |
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■設計:丹下健三・都市・建築設計研究所+国土交通省中国地方整備局営繕部
■所在地:広島県広島市中区中島町1
■用途:資料館
■竣工:2002年
■規模:延床面積3099.40平米
■構造:RC造地上1階地下2階
■付近の地図(mapion) |
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一般の人から見ると、新しくてキレイね程度の普通の建物に見えるかもしれない。だが少なくとも私は心の底からがっかりした。
酷評せざるを得ないのは、この建物が平和記念資料館という世紀の傑作のすぐ後ろに建っていて、しかも同じ丹下健三の名を冠しているためだ。普通の事務所が普通の公園で設計するのとはわけが違う。 丹下健三本人がどこまで設計に関わったかは知る由もないが、平和資料館や平和公園の造形と向き合い、互いの価値を高めようという意図が説得力を持つ形で表現できていないのは非常に残念。例えば、この場所をどう読み解いたのか、なぜ円形なのか、なぜこの動線なのか、なぜ中途半端な埋め方にしたのか…など、さっぱり意図が見えてこない。
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国立広島原爆死没者追悼平和祈念館
National Peace Memorial Hall for the Atomic Bomb Victims |
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平和公園の一角に、そのヴォリュームを殆ど地下に埋没する形で建てられた施設。とはいえ完全には埋まってないので、視線を遮ることに変わりはない。
なお、どうしてこんな場所に平和記念資料館と重複する用途の建物が国費で建てられるのかという根本的な疑問については、ここでは脇に置いておく。 |
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#1 |
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#2:「…で?」とつっこみたくなる。 |

#3 |

#4 |

#5:円形空間の地下。一体ここで何を感じろと? |
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#6:遺影がスライドショウのように流れていく。もっと訴えかける工夫はできたはず。中途半端すぎる。 |

#7:全景はこんな感じ |
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建築的に「スベってる」と思う重大なポイントは二カ所。
まずエントランス付近(GL)の窓。(写真#1, #2) この窓は訪問者の動線から考えるとアイストップでも何でもないので、あっさりスルーされる可能性が大きく、仮に立ち止まってくれたとしても「…で?これって何?」程度の感想しか持てない。被爆地と近代的な高層ビルとのコントラストを表現するのが目的であれば、私なら建物全体を完全に地中に埋めてGLを水盤にする。相当にベタだけど、水面をのぞき込むと新旧の街並みが重なって見える…といった仕掛けも一つの表現にはなると思う。
もう一つは円形空間の地下(写真#5)。ここでは被爆の惨状を伝えるためにどのようなメタファを採用するかが勝負であり、デザイナーの純粋な力量が問われる。この円形空間では、パノラマ写真と死没者の数(タイル枚数)という、かなり直接的な表現がなされている。せっかくこの空間に足を運んだのに、教科書に載っているような写真を見せられるだけでは、それを超える何らの感情ももたらさない。直接的な表現でいくのなら、「自分がその場に立っている」くらいのリアルな演出をすべきだった。それなら”教科書では学べない”空間体験の価値が出てくる。
一方、長崎の祈念館(設計は栗生明)4)の追悼空間では広島とは真逆の表現、すなわちガラス柱を用いた象徴的な造形が採用されており、その路線でできるだけ深めようという建築家の意図が表現されている。広島の祈念館にもこのくらいのこだわりが必要ではなかったか。
…と散々文句を連ねてきたわけだが、さっぱりわからないのは、設計者にどこまで裁量があったのかという点だ。ひょっとしたら、役人やら政治家やらが彼らのセンスで勝手に決めてしまい、設計側は「スベってる」自覚がありつつも従わざるを得なかった…のかもしれない。(ただ、ひどい施主であってもそこそこのクオリティに持っていくのが建築家だろ、という気もするけど)
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[参考文献・サイト]
1) 雑誌「新建築」2002年8月号
2) 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館公式サイト http://www.hiro-tsuitokinenkan.go.jp/
3) 原爆死没者追悼平和祈念館開設準備検討会最終報告(厚生労働省) http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1009/h0928-2_11.html
4) 建築マップ「国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館」
[行き方ガイド]
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[電車] 広電「原爆ドーム前」または「袋町」から徒歩10分くらい。平和公園の敷地内。 |
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[バス] 広島バス(赤バス)25番線「平和記念公園」バス停が最寄り。 |
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作成:2006/1/3 最終更新:2006/1/3
作成者:makoto 使用カメラ:CanonPowerShotG3 |
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PEACE CENTER INDEX |
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| (CC) arch-hiroshima 2006 |
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