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老舗の百貨店建築
DATA
■設計:渡辺仁
■施工:藤田組
■所在地:広島県広島市中区胡町6-26
■用途:百貨店
■竣工:1938年4月
■構造:SRC造 地上8階 地下2階 塔屋2階(建設時)
付近の地図(mapion)
広島の中心市街地の一角、八丁堀に建つ百貨店。
設計は渡辺仁が担った。渡辺は銀座和光(旧服部時計店)・東京国立博物館・ホテルニューグランドなどの”大物”で数多くの名作を残している。銀座和光と比べると装飾性は薄いが、縦のラインの入れ方などに共通点が見られる。

福屋は八丁堀の福徳生命ビルを借り受けて1929年に営業を開始。順調に売り上げを伸ばし、1938年にはこの地上8階建てで全館冷暖房完備の新館を開業させた。しかし既に時局は戦時体制に移行しており、1944年には建物の大半が陸軍や統制会社で占められる状態に陥った。
被爆時に内装は全て焼失したものの躯体は残り、臨時の伝染病病院として使用された。その後徐々に営業を再開し、1953年には全館の復旧が完了した。さらに1955年から1985年にかけて増築を繰り返し、現在は当初の4倍の床面積にまで拡張されている。

さて、よく注意して福屋の前を歩いてみると、建物の外壁ラインと道路が平行ではないことに気づく。(写真#2)
実は建設当初は外壁と道路は平行だったが、戦後の道路拡幅の際に道路線形が変わってしまい、結果的に微妙な角度が付いて現在に至っているというのが真相のようだ。地霊・土地の記憶とはこういう何気ない日常風景の中に宿っている。


福屋百貨店
Fukuya

#1:手前のコーナー部分周辺は新築時の外観を留めている。外装のタイルは1972年に交換されたもの。

#2:福屋の外壁ライン(a1〜a3と平行)と道路(b1〜b2と平行)は微妙に角度が付いている。

#3:東京・銀座の銀座和光(旧服部時計店)。装飾性など根本的な違いはあるが、道路幅員や100尺ラインのためか、雰囲気は福屋と似ている。
[参考文献・サイト]
1) 広島市+被爆建造物調査研究会(1996)「ヒロシマの被爆建造物は語る」広島平和記念資料館

[行き方ガイド]
[電車] 広電「八丁堀」電停より徒歩1分
[バス] 広電バス、広島バス、広交バス、JRバス「八丁堀」バス停より徒歩1〜3分
作成:2008/9/5 最終更新:2011/9/2 作成者:makoto 使用カメラ:NikonD70 使用レンズ:Tokina AT-X 124 PRO DX 12-24mm F4
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